そうだ!フィリピンに住もう

ダバオ Davao Dabaw byえくえく

近所では大きな声で言えないカロリンの話@ダバオ

皆さん、メリークリスマス!えくえくです(#^.^#) 今回は「カロリン」の話です。カロリン(Caroling)とは、フィリピンのクリスマスの伝統のひとつで、子供たち(たまに大人もあり)がグループを作って近所の家を回り、クリスマスソングを歌って、お金をもらう風習です。

クリスマス・キャロル - Wikipedia

 

昔はお金以外にキャンディなどのお菓子のパターンもあったそうですが、今はお金一辺倒みたいです。つまりカロリンとは、クリスマス時期に許される正当な「こずかい稼ぎ」の手段で、これは「物乞い」ではなく、日本で言えば「お年玉」に近いものがあります。

 

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うちに「ママスコポ〜(お金ちょうだい)」と言って、毎日歌いに来るのは貧困層の子供たちで、富裕層の子供は絶対に来ません。あと中間所得層の子供もめったに来ません。但しこれは地域性があるかもしれず、フィリピン全土がそうだとは言い切れません。

 

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他の地域では、子供たちが手作りの楽器を使って演奏したりするそうですが、私の地域ではそんな手の込んだことをする子供はいません。適当に歌って、あとは「お金ちょうだい」を連発するだけです。

 

テレビで見るカロリンは、可愛い女の子たちもクリスマスのコスチュームで現れますが、うちの地域にそんなシャレた子供がいるわけありません。来るのはたいてい朝昼晩と満足にご飯も食べられない子供たちですからね(-_-;)

 

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楽器という意味での例外は、バッジャウ(違法海上生活者)の子供たちで、彼らはクリスマスに限らず、日ごろから路上で「ペットボトルや缶を使った打楽器」を使って演奏し、物乞いをしてるので手慣れたものです。

 

そしてクリスマスの時ももちろんその打楽器を演奏してお金をもらってます。車が信号で止まった時にも、中央分離帯から寄ってきて、危なかったりもしますが、おまわりさんもクリスマスは放置するようです。

ちなみにがめつい子供は、前日に「明日カロリンしに行っていい?」と、しっかりアポイントメントを取ってきます。そして毎日同じ顔触れだと、飽きられるのもわかっており、毎日微妙にメンバーを入れ替えてくる周到さがあります。

 

また人数も調整して来ます。たとえば「10人で来て30ペソもらった」とします。となると1人あたり3ペソです。そういう日の翌日は「2人」で来るような子が「がめつい子」ですが、営業センスも伺え、私はある意味将来有望な子供と思ってます。

 

しかし10円20円もらって喜んでる子供は可愛いもんです。私立校に通う8歳の甥っ子は、もちろんカロリンには参加しません。学校でも家でも英語しか喋らず、日頃はタブレット三昧で、フィリピンの文化に全く興味がないのです。あとビサヤしか喋らない近所の子供とは、そもそも会話ができないので、コミュニケートできません。で、何を欲しいか聞いたら「ipad」とのこと・・・

 

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またカロリンは子供だけではなく、うちの地域ではこずかい稼ぎの大学生のグループもやります。さすがにこのクラスになると、ギターや打楽器の演奏付きで、なかなか本格的です。なわけであげるお金も子供たちよりは高い金額にせざるを得なくなります。但し子供たちのように毎日来るわけではなく、だいたいクリスマス当日だけか、あと1日ぐらいです。

 

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カロリンはいつからいつまでなんでしょうか?よくわかりませんが、うちに子供たちが来始めるのは、毎年だいたい12月の初旬からで、今年はうちのイルミ(上の画像)を点灯した日から始まりました。私がイルミを取り付けてる時に、子供たちはじーっと見ていたので、手ぐすね引いて待ってたようです。しかし実は・・・

 

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私がカロリンで子供たちにあげたお金、実はうちでちゃっかり回収してるのです(-_-;) うちの隣が妻の実家で、敷地内で義弟がネットカフェ(上の画像)をやってるのですが、子供たちはカロリンでもらったお金をうちのネットカフェで使ってくれるのです。なわけで、うちは「カロリン自動回収システム」なのです(-_-;)

 

尚、子供たちの目的はパソコンで出来るゲームで、日本のネットカフェとはかなり違い、昔のゲームセンターに近い感じのネットカフェなのです。またコイン投入式なので無人営業、これもゲームセンターぽいでしょ⁉️

 

そして毎年この時期感じることは、地域のコミュニティです。地域性もあるでしょうが、フィリピンでは地域のコミュニティで、誰かが孤立するようなことはまずないような気がします。しかしカロリンや地域のイベントに参加して楽しそうにしてる子供は、ほとんど貧困層なのです。

 

中間所得層以上の子供は、参加しても子供同士(人間同士)で遊ぶのはだいたい5分が限界で、その後はタブレットを見るか、「ママパパ」始まるか、家に帰りたがります。これじゃあ日本の子供と同じですよねえ(-_-;)

 

ところが先日、驚愕の事実を知りました。私と同じミンダナオ在住でお世話になった方に「ジェネラルサントスでは私立校の子供(要は富裕層)もカロリンをやってる」と聞き、ビックリしました。う~ん、ダバオじゃありえない。ダバオならやっても学校内かイベントぐらいのもんです。ジェネラルサントスはさすが伝説のチャンピオン「パッキャオ」の地元、これはいいことです、キッパリ!!

ジェネラル・サントス - Wikipedia

 

フィリピンでは国民のほとんどがキリスト教徒であり、法律に至っては「Christian judge law(キリスト教法律)」です。日本の皆さんは「宗教法」と誤解されるかもしれませんが、これは国の法律、つまり「日本国憲法」と同じ位置付けなのです。

 

そして国民を「金持ちも貧乏も同じ人間」と洗脳するのが国の根幹であり、一人一人の国民が人間としての尊厳を保たれるようにしてます。但しこれには「政府に対するクーデターを防ぐ」また「一部富裕層に対する反逆を防ぐ」という局面もあるのですが、それはまた別の機会に・・・

 

しかし金持ちの子供もカロリンに参加しなければ、「金持ちも貧乏も同じ人間」とは感じられなくなるはずです。そしてタブレット片手に貧困層の子供のカロリンを見てるだけなら、強烈な階級意識が芽生えるはずです。

 

この国のいいところは、地域のコミュニティがあることと、一人一人のコミュニケーション能力が高いことです。しかし性格形成期の5〜15歳のうちに、強烈な階級意識が芽生えたらどうなるでしょう⁉️

 

将来、なんらかの形で地域のリーダーになるであろう中間所得層以上の子供が「金持ちも貧乏も同じ人間」と思ってくれなければ、この国の良い面が失われていくような気がするのです。その結果、能力ある人材がこの国を嫌い、どんどん外国に流出していくものと思われます。

 

そしてこの国のいいところ「人の温もり」も失われていくかもしれません。この国はまだまだ未成熟ですが、「人の温もり」があることが最大の魅力ではないでしょうか。私はダバオ市ジェネラルサントス市のように、富裕層の子供にもカロリンを奨励すべきと思ってます。

 

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そして今日はクリスマスイブ、またあの「ウザ可愛いやつら」が、間違いなくやって来るでしょう。今日は何組来るのかな⁉️えくえくおじさんはしっかりお金用意して待ってるから、そのお金でうちのネットカフェ行ってね〜!これが近所では大きな声で言えない話でした(-_-;) ではでは!!

 

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