そうだ!フィリピンに住もう

ダバオ Davao Dabaw byえくえく

地獄を見た男から見たフィリピンの住宅事情

皆さん、こんにちは。えくえくです(#^.^#) 今回はフィリピンの住宅事情についてです。私が移住してから「家はどうしたらいいんだろ?」という質問を最近よく頂くようになったのでブログにまとめました。個人的にはですが、今後またご質問頂いたら、このブログを見せて対応したいと思ってます。

 

実はこのブログを見た方からもご質問頂いてます。「場所はどこがいい?」「分譲か賃貸か?」「戸建かマンションかアパートか?」という選択肢は日本と同じですが、日本とは違うこともいろいろ考えなければならないのです。そしてそのいろいろはとんでもない数になります。

 

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1.  場所

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実際に生活していく上で、場所の選定がもっとも重要だと思います。日本人の方によく「どこがいいか?」と聞かれるのですが、正直この質問が困ります。「いいか?悪いか?」で聞かれても、総合的に見れば、そもそも日本よりいいとこなんてまずないので、答えようがないのです。

 

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ではなぜ私はフィリピンに移住したのか?それはダバオが好きだからです。私はダバオ以外のフィリピン各地にも行ってますが、「ここに住みたいな」と思ったことは一度もなく、10年前にダバオへ来るまで正直この国は好きではありませんでした。

 

私が言いたいことは、要はご自身の好き嫌いで選んで頂きたいのです。「ご自身の目で見て、好きと思うとこに行ってください」としか言いようがないのです。

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だから「どこがいいか?」なんてわかりませーん(;'∀') 好みは千差万別でしょ。私の好みを押し付けても意味ないし、私が嫌いな場所だって好きな人はいるかもしれない。

 

山が好きな人もいれば、海が好きな人もいる。賑やかさが好きな人も入れば、静けさが好きな人もいる。日本の習慣を持ち込みたい人もいれば、持ち込みたくない人もいる。見栄を張りたい人もいれば、そんなのどうでもいい人もいる・・・とにかく場所選定の質問が一番困ります。人それぞれの人生ですからね。

 

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但し既に好きな場所があるならば、過去の自然災害情報等はお調べになった方がいいと思います。命に関わりますからね。特に台風が通る場所と地震震源地は毎回ほぼ同じなので、これは事前に調べるべきです。

 

他には治安はもちろん、地盤もです。例えば移住して畑をやりたいとします。で、買った土地、地面の下が岩だらけだったらどうします?開墾にはとんでもない手間がかかります。あと山岳地の地盤が緩いのと、海辺に津波の危険性があるのは日本と同じです。

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もう一つ重要なのは冠水(バハ)です。これはフィリピンには付き物ですが、かなり地域差があります。台風が60年以上直撃してないダバオでさえ冠水する地域があるので、十分お気をつけください。

 

冠水後の感染症で命を落としてる人もいますからね。冠水する地域や物件は初めから決まってますが、昨今の異常気象で先はどうなるかわかりませんよね。まあこれは日本も同じだとは思いますが。

 

2.  分譲か賃貸か?

まずはフィリピン人風に言えば「オカニカニ〜」ですね。オカニとはお金、要は予算です。予算がなければ無条件に賃貸になります。但し十分な予算があっても賃貸にした方がいい場合もあるのです。

 

というのは戸建ての場合、土地も含めて我々日本人のような外国人に所有権はないからです。つまり配偶者がフィリピン人ならば、その配偶者名義になりますが、実は私がそうです。まあこう言っちゃなんですが、人間先のことはわかりませんよね。

 

夫婦間に万が一のことがあれば、戸建て物件はフィリピン配偶者の物になって終わり。つまり最悪家を取られてもやり直しが効くよう、フィリピン移住の際は最大でも金融資産の40%までにしといた方が無難と思われます。まあ「自分は絶対大丈夫」と思われる方はそんなことは考えなくてもいいとは思いますが、でもねえ・・・

 

但しコンドミニアムは日本人など外国人にも所有権があり、自分の名義にできます。もちろんディペロッパーはそのことは知っているので、コンドミニアムは外国人狙いの超割高になっており、さらに管理費や駐車場代も別途必要になるので、この国ではかなりの高額になります。まあ余裕がある方はこちらが無難ですが、ビルそのものが耐震構造になってるとは言い切れないので、ある日突然なくなることも想定しなければなりません。

 

但しコンドミニアムについては投資物件と考える人も多く、実際に売却益を出している方も少なからずいらっしゃいます。よく「フィリピンの物件は安い」と言われる日本人の方を目にしますが、それは日本の金額と比べてのことです。料金比較はフィリピン国内をベースに考えた方がいいでしょう。でないと日本人が安いと思っても、それはフィリピン国内では法外な料金だったりすることもありますから。

 

「分譲か賃貸か?」それは予算や本人特性、家庭環境などなどいろんな要素が複雑に絡み合うのでオールマイティに「これが絶対にいい」と言えるものがないのです。特に配偶者がフィリピン人の場合、配偶者実家の家庭環境が大きな要素になります。

 

一つ言えるのは、まずは賃貸で1年ぐらいは住んでから考えてみるのがいいと思います。地域にもよりまずが、たとえばダバオなら1か月5000ペソ(1万円)程度の賃貸物件がざらにあるので(マニラはもっと高い)、しばらくそういうとこに住んでから考えてみるのも一手かと思います。住んでみないとわからないことはたくさんありますから。信じられないことが起きます、この国は(;'∀')

 

3.  戸建て新築

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私は自分で家を建てたので、どんなことがあったか、ぜひ知って頂きたいと思います。戸建てについては誰よりも詳しい自信があります。上の画像は私が7年前に購入したダバオ市内の中古物件で、場所は妻の実家の隣です。

 

売主は家族同然の付き合いだったので、かなり安く譲ってもらいました。この国には一応路線価のような相場はあるのですが、それが販売価格に反映されてるかどうかは別です。要は相場1M(1million=100万)ペソ(=200万円強)の物件があったとして、諸々の事情により1Mが0.5Mにも2Mにもなるのです。そして2年前にこの家を取り壊して新築しました。それは待望の建て替えでした。

 

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上の画像は前面道路の整地です。工事を始めた頃、私の体重は100kgありました。ま、俗に言うデブです。妻や周囲からもデブと言われてました(-_-;)

 

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だいぶ痩せてきました。炎天下の中でも頑張りました。

 

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そして警備は犬でした。建築資材が盗まれないよう、夜中もガードしてくれたうちのマーシャルです。おかげで何も盗まれずに済みました。

 

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しかし一言で言えば地獄でした。「職人に任せておけばいい」なんて、とんでもない甘い考えだったと気付きました。そうです、ここは日本ではなくフィリピンなのです。

 

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なわけで妻も見兼ねて途中から参戦。職人は勝手に休む、図面通りにならない、ウソ、デマカセ、資材は放置、道具は片付けない・・・その中でもフィリピン人の気質とも言える「ほうれん草なし」が一番参りました。そうです、フィリピンで職人レベルの人間は報告連絡相談がなく、全て自己決定なのです。

 

私たち夫婦は1㎝単位で図面通りになんてならなくてもよかったのです。5㎝10㎝程度の誤差は別によかったのですが、図面と50㎝違えば、日常生活に不都合が生じるだろうと簡単に予測できることがたくさんありました。たとえばドアが開かないとか、人が通れないとか・・・

 

例えば「ここはこうした方がいいと思うけど、どうする?」とか「ここは図面通りだと問題あるけど、どうする?」とか聞いてくれればいいのですが、施主である私の意向を聞かずに勝手にやるもんだから、やり直しの連続。やり直しと言ってもこれは仲良しクラブではありません。その分の資材はまた買わねばならないので、無駄な工事費がずいぶんかさみました。

 

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最終的に頑張ってくれたのは妻であり、隣に住む妻の兄弟たちが助けてくれました。この工事の救いは、家族だけは信用できたことです。みんな職人ではありませんが、技術的には最終的に職人より上手くなりました。

 

それは「姉のために、妹のために」という気持ちで丁寧に誠心誠意作業してくれたからです。妻は塗装が得意で、あまりの上手さに他の家のキャビネットの塗装の依頼が来るほどまで上達しました。

 

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私は上の画像の時点で12kg痩せ、最終的には17kg痩せました。まわりからは「妊婦さんの出産後みたい」と言われました。それだけ腹がペッタンコになってたからです。みんな外の仕事は嫌がるから炎天下の肉体労働、そして作業しながらも職人の動作には目が離せない・・・。

 

そりゃそうです、10分でも目を離したら何をされるかわかりませんから、毎日が緊張の連続でした。そして工事から半年後、ストレスで血圧が上昇し、モールで意識を失って倒れたこともあります。耳鳴りもしました。本来は120-80程度なのに、その頃は上が200ありましたから。

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適当に計測するから図面と違ってやり直し、朝打ち合わせして、こちらが言ったことが言った通りになってない、資材は雨ざらしになっても放置・・・などなど、とにかく目を離したら終わりです。気分は幼稚園児をピクニックに連れて行った保母さんでした。

 

しかし体力的にも精神的にも限界で、この頃は自分が自分ではなくなったような気がして、精神科にでも行こうかとマジで考えてました。そして待望の建て替えだっただけに、あまりの口惜しさで、いい歳こいて泣いた事も何度かありました。まさか楽しみにしてた新築工事がこうなるとは・・・移住前には夢にも思っていませんでした。ぶっちゃけ地獄でした。

 

高額の給与を払ったペンキ職人は実は職人ではなく、めちゃくちゃな塗装をされたので、私たち家族で全部やり直し、しかもその職人は親戚の紹介で、ペンキ職人は危険を察知したのか給与を払うと、工事途中で逃げました。屋根の職人は腰が痛いと何もしない日が続いたり、買ったばかりの大理石は職人に雑に扱われて割れました。他にも数え切れないぐらいひどいことの連続・・・

 

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そして日曜日は必ず資材の調達だったので、どこにも遊びに行けず、ストレスも発散できませんでした。要は休みなしです。そりゃそうです、だって平日は職人から目を離したら終わりですから。

 

但し平日も資材調達をしなければならないこともあり、工程にもよりますが、私が帰って来るまでは作業を中断させたことも何度もありました。やり直しするぐらいなら、やらない方がマシだからです。私はこの段階で、すでに人間不信になってました。

 

問題は職人がうちの親戚だったことです。私が一人で資材調達に行けば、妻が監視役をできるので、本来は問題ないはずなのですが、妻は目上の親戚となると注意できないのです。それで「なんで注意しないんだ」と私が妻に言えば、当然ケンカになるわけで、妻とは数えきれないほどケンカをしました。おかげで今はもうケンカする余力さえなくなりました。まあそれはそれでよかったのかな・・・。そして工期1年かけてやっと出来上がりました。

 

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 皆さん「工期1年」と聞いて、どんな豪邸かと思われたでしょう。笑ってください、2LDKの普通の平屋住宅です(-_-;) こんな普通の家の工事に1年もかかったのです。しかし上には上がいるもんで、近所の日本人の方とこの話をしたら、その方の家は3年かかったそうです。

 

ちなみにそちらへお邪魔しましたが、うちと同じく普通の住宅でした。その方も私同様あまりの工事のひどさに「気が狂うかと思った」と仰ってました。ちなみに何度も職人を替えたそうです。ご年配の方ですが、やはりご自身も工事に参加されたそうです。そうなんです、見てると「誰にも頼めない。自分でやらなきゃどうにもならない」と思ってしまうのです、この国の工事は。

 

私の最大の失敗は給与の支払い方法でした。日給制にしたから1年もかかったのです。この物件は誰に聞いても4~5か月で出来ると言います。初めから工期全額、例えば職人1人当たり「6万ペソ(12万円)でどう?」というように「全額を提示すれば、工期は早くすることができた」と、大手工務店の経営者に後から聞きました。

 

そしてその金額を少なめに分割して払い出していけばよかったのです。そうすれば職人にとって早く仕上げる方が得だったのです。もう一つの失敗は給与を週払いにしたことです。せめて支払いは2週間に1度にすればよかったのです。そうすればお金がないから、勝手に休む回数も減ったはずなのです。要は私は無知なために自分で自分の首を絞めたのです。

 

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今はそれなりに幸せにやってますが、1年間の工事で、この国のレベルや汚いものを嫌というほど見ました。そして家族以外は誰も信用できなくなりました。今は周囲のフィリピン人に「地球は丸い」と言われても「ホントかなあ?」と思ってしまうほどです。

 

但しいいこともあって、それは同じレベルの建売住宅の半額程度で建てられたことです、あれだけ無駄なお金を使ったにも関わらずです。つまり自分自身や妻の給与はないものの、家はサブディビジョン住宅の半額程度で建てられたということです。

 

但し実際は半額以下です、まあそれは後ほど。他にもいいことありました。私も妻も幸か不幸か自分で建築作業できるようになったので、補修は自分たちの好きな時にやりたいようにできるということです。

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しかし建築関係の方を除いて、皆さんにはうちのような戸建て新築はおすすめできません。まず自分がデザイナー兼エンジニア、建築作業員、資材調達、整地、ドライバー、作業員監視、昼飯及びおやつ調達、手続きなどなど、やることがありすぎて大変だからです。この大変さは想像を絶するものでした。ちなみに上記の仕事はもちろん人を雇うことができますが、まあ8割型はデタラメと思った方がいいです。

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私は運よく家族の助けがあり、精神的にギリギリのとこで踏み止まりましたが、もしこういう家族がいなければ気が狂って、今頃は精神病院に入院してたかもしれません。大げさではなく、ホントにギリギリでした。

 

人間が同じ人間とは思えず犬に見えてた時期もあり、職人に「ワンワン」と私が吠えたもあるらしいです。あと記憶にないのですが、大声でわめき散らして近所を歩いたこともあるそうです。おかげで今でも「あそこには頭のおかしい日本人がいる」と噂する人もいると近所の人に聞きました、ゲロゲロ(-_-;)

 

そもそも私は周囲からはおおざっぱとか無神経と言われており、「80点で良し」を旨としてます。要は完璧主義とは程遠い人間なのです。しかしそれでも相当追い込まれました。自分が頑張ればたしかに安くはあがりますが、精神的に異常をきたしてまで家を新築する意味があるでしょうか?私はそうは思えないから、おすすめできないのです。この国の職人ははっきり言って技術が低く、仕事に対するプライドも低いです。ま、あとはダイエットにはいいかもしれませんね(-_-;)

 

ちなみに中古住宅の購入もおすすめできません。賃貸ならば嫌なら引っ越せばいいだけなんで問題ないですが、購入したら必ずリフォームが必要になります。よく「雨風をしのげればそれでいい」という声も聞きますが、その雨風をしのげるかどうかも問題なのです。屋根や天井の修理は意外と費用がかかりますからね。

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「だったらリフォームすればいいだけじゃん」と思われるでしょう。たしかにそうなんですが、問題はその費用です。日本人がまともに暮らせるレベルまでリフォームするなら、新築に近い費用が必要になります。要はコスパが悪いのです。

 

日本の住宅はやはり素晴らしいです。それに慣れてる日本人がこの国の住宅にすぐに適応できるとは思えません。短期なら問題ないでしょうが、長期或いは私のように永住となると、住宅については考えなければならないことがたくさんあるのです。

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4.  サブディビジョンの建売住宅

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サブディビジョンとは要は区間された分譲住宅地のことで、私の家との大きな違いは、広い敷地自体に門と塀があり、警備員がいることです。よく言えば「セキュリティがしっかりしている」、悪く言えば「隔離された住宅地」ということです。結論から言うと、小さなお子様と移住される方でコンドミニアム以外をご希望の方は、絶対的にこちらをおすすめします。

 

私の場合はたまたま隣が妻の実家で、その隣が義兄の家、そして裏に親戚が30人ほどおり、自宅周辺にセキュリティ機能が働く特殊事情があるのです。カンタンに言えば村みたいになってて、知らない人が歩いてるだけで大騒ぎになったりします。要はサブディビジョンに住む必要がなかったのです。まあ元々ダバオは治安がいいということもありますが。

 

ではサブディビジョンが完璧かというと、少なからずデメリットもあるのです。まあどんな住宅に住もうと、この国に完璧な住宅なんてありませんけどね。大豪邸でも家の中には普通にアリがいますから。

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たとえば上の画像のようなタホ(豆腐のデザート)が、家の前に売りに来ることはありません。一般住宅なら売りに来る魚やパンデサル、野菜、果物、アイスクリーム・・・何も来ないから声がありません。

 

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そしてこんな可愛い女の子がパンケーキを売りに来ることもありません。サブディビジョンは原則敷地内に物売りは入れないからです。静かに暮らしたい人にとっては好都合ですが、フィリピンらしい生活をしたい人にとってはデメリットと言えます。そして家の敷地内でサリサリストアを開くこともできません。まあそんなこと考える人は少ないはずなので、これはデメリットではないかもしれませんね。

 

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まあとにかく高いです。もっと言えば割高です。そして警備員も常駐してるので、マンションのような管理費の支払いもあります。私は自分の家を建てた際に全ての建築資材の値段を知りました。

 

上の画像はダバオ市内のサブディビジョンの物件です。この住宅、サブディビジョンの場合は内装が別途になりますから、私ならばデザイナーに名義料を払い、職人を雇って、かなり高めに見ても0.7M(150万円)程度で建てられる物件ですが、このサブディビジョンのディペロッパーは大手のDECAホームズ・・・たかだか50㎡の平屋住宅の値段はなんと2M(400万円強)です。ありえません!!

 

私はこの物件周囲の土地代も知ってますが、要は一般住宅の2倍、いや2倍以上です。地元の人は余裕があってもまず手を出さないので、対象は他地域からの転入者と外人配偶者がいる世帯が主になると、同社のセールスマンに聞きました。まあそうなるでしょうね。しかしそれでも売れてます。私は個人的にサブディビジョンについては、買う側ではなく売る側に回りたいと思ってます。非常に利益率の良い商売ですからね。

 

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もう一つの問題は住宅そのもののクオリティが低くなることです。先程私が割高と言ったのはそういう意味です。

 

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上の画像は水道の配管です。白のパイプは柔軟性があり耐久性が高いのです。ところがサブディビジョンの住宅にはこのパイプが使われることはまずありません。水道管は青のパイプになります。青のヒビが入りやすいパイプなら、白のパイプの値段の1/3だからです。

 

これはマニラやダバオのサブディビジョン内住宅を手がけた職人に聞いたのですが、サブディビジョンの物件はほぼ全箇所に安い部材や資材を使われてるそうです。したがってパッと見はよく見えますが、すぐにいろんなとこが壊れます。但しディペロッパーによってですが、5年程度の保証を付けてるとこが多く、一定の修理はしてくれるはずです。

 

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問題は構造です。そもそもフィリピンの住宅は鉄筋コンクリート構造なのですが、実質は日本の外構レベルです・・・いや、日本の外構レベル以下です。上の画像は日本の鉄筋コンクリートです。フィリピンの住宅はこんなに鉄筋が入ってなく、サブディビジョンの物件はさらに鉄筋の数が減ります。

 

そしてフィリピンのブロックは海の砂が混じるので脆く、手で強く握るだけでも壊れてしまいます。要はそもそも日本の鉄筋コンクリート構造とは強度が違うのです。そしてサブディビジョンの物件はセメントの量も減らしているので壁面も薄く、強度はさらに低くなります。あともう一つ、基礎部分が低いのも問題です。サブディビジョン内は道路が整地され、前面道路より少し高い位置に住宅がある場合が多いのですが、住宅そのものはベタ基礎がない物件がほとんどです。

 

本来鉄筋コンクリート構造は耐震や耐火に優れているのですが、フィリピンの建築工法や資材の質を考えると、耐火はともかく、耐震については非常に脆いと言わざるを得ません。しかもその脆いまま鉄骨も入れずに二階建て、ひどい時は三階建てまでしますから、大きな地震が来たら半壊どころか全壊になる恐れもあります。まあ大きな地震が来なければ問題ないですが、先のことはわかりませんよね。

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先程「私は無神経」と言いましたが、唯一神経質になるのが地震です。かつての阪神淡路大震災の時、当時S不動産の社員だった私は子会社のS不動産ホームに出向し、注文建築住宅を売りました。そして病院でテレビでは放送できないような悲惨な現実を毎日のように見ました。それから私は耐震性についてだけは神経質になったのです。ちなみに震災で友人も数人天国へ行ってしまいました。

 

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話をサブディビジョンに戻します。ドアなど見える部分を除き、木材はブコ(ココナッツ)が通常使用されます。理由はもちろん安いからです。強度は問題ありませんが、白アリはつきやすいと言われています。あとオークに比べると伸縮しやすいので、数年後に歪みが生じやすくなります。

 

というわけで、サブディビジョンの建売物件も耐震性や耐久性を考えると、諸手を挙げておすすめできるわけではないのです。但し完璧とは言えないまでも、ご家族にとってそれなりに治安がよく、建売りの購入ならば私みたいに頭がおかしくなることもないはずですから、割高ではあっても精神衛生上はいいと思います。お金や物よりも人間そのものが大事ですもんね。あとは大きな地震が来ないことを祈るのみです。

 

5.  コンドミニアム

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コンドミニアムについては、私は所有してないのでさほど詳しくなく、内容は一般的なものになります。裏話は特にありません。但し私はサラリーマン時代、S不動産のビル事業部に所属していた期間があるので、ビルそのものについてだけは一定の知識があります。

 

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フィリピンのコンドミニアムは日本で言えば分譲マンションです。最大の魅力は我々日本人も含む外国人でも所有できることです。要は自分名義にできるということです。賃貸物件の場合はエアコンや冷蔵庫、ベッド、ダイニングテーブルやリビングセットなどの大型家電や家具が備わっていることが多いです。このため賃料は割高になります。いわゆるfurnishedです。

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付帯設備としはスイミングプールやサウナ、スポーツジム、ジャグジー、テニスコートなどが備わっている物件もあります。基本的に居住者は無料で利用可能です。また受付があって24時間管理人がいてセキ ュリティ面で安心です・・・たぶん。また非常用電源が確保されていることが多く、フィリピンで起こりがちな停電時に機能します。家賃は高いですが、家賃が会社負担の現地駐在員はだいたい賃貸コンドミニアムに住んでますね。

 

分譲にせよ賃貸にせよ、とにかく高いです。サブディビジョンの物件が割高ならば、コンドミニアム超割高と言わざるを得ません。間取りは1〜3LDKと様々で、家族向け2LDKの場合は65~85㎡程度、家賃は4万ペソ(8万円強)程度が平均的です。高給取りと言われる公立学校教師でも月給2万ペソ程度ですから、いかに高いかおわかり頂けると思います。

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但し高い賃料を取れるので、投資として魅力を感じる方も多くいらっしゃいます。ちなみに分譲の場合、駐車場だけでも1M(200万円)なんて物件はざらにあります。ちなみに1Mって、うちの近所なら小ぶりの土地付き新築平屋建てを買える金額なんですけどね。

 

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実は私、30年以上前ですが、ロスアンゼルスの賃貸コンドミニアムに住んでいた時期があります。最初は嬉しくて付帯設備のプールやテニスコート、ビリヤードなど毎日のように使いました。ところが3ヵ月ぐらいで飽きてきて、半年目には全く使わなくてなり、1年後に一般住宅に引っ越しました。というのは付帯施設に魅力がなければ、割高な賃料を払うのはバカバカしいと思ったからです。

 

コンドミニアム、私の場合は飽きました。素晴らしい付帯設備も毎日見てると、それが当たり前になり、魅力を感じなくなるのが私の性格でした。個人差はあると思いますが、私と似たタイプの方も少なからずいらっしゃると思います。まあこれは余談ですが。

 

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フィリピンのコンドミニアムは上の画像のような高層物件もあります。日本で言えばタワマンですね。結論から言うと、やめといた方が無難です。というのは2ヵ月ほど前のマニラを中心とする首都圏地震の時に、マカティの高層ビルが傾いて、近接するビル同士がぶつかったからです。そうです、この国にはまだ高層ビルを立てる技術力はないのです。やはり住むにしても投資にしても、高層物件はやめといた方が無難と思われます。投資ならば、早期に売り抜ける方が得策でしょうね。

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しかしコンドミニアムを建てるディペロッパーやゼネコンは儲かりますよね。その利益率たるや、日本のゼネコンとは比べ物になりません。今回の中間選挙でも上院議員1位当選のこの女性は、大手ゼネコン一族の一員です。何の実績もないのに1位当選、「どんだけ豊富な選挙資金があったんだろ?」とフィリピン人も噂してます。まあそれだけビルを建てると儲かるということなんでしょうね。

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6.  アパート

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上の画像のアパートは、義理の息子を射殺して逃走した日本人男性と奥さんの物件です。以前ある新聞に「逃走した日本人男性がフィリピン人妻と建てたアパート」としてこの写真が掲載されてました。日本人がアパートを借りる際に一番気をつけなければならないのが、現地日本人の存在です。

 

フィリピンでは日本のように不動産屋がどこにでもあるというわけではありません。そこで誰かに紹介してもらうのが通常パターンなのですが、残念ながら仲介の日本人が暗躍する場合が少なからずあるので注意が必要になります。

 

ターゲットはフィリピンをあまり知らない日本人で、特に老人です。見た目は紳士的で物腰もやわらかく、フィリピンの事を熟知してるタイプの日本人が近づいてきたら要注意です。この手の日本人がいたら信用してしまう人が多いのですが、アパートに限らず、実は一番危ないタイプなのです。

 

多くの日本人高齢者は英語もタガログ語もできない人が多く、フィリピンを熟知してるタイプに頼りきってしまいます。細かい手口を書くとキリがないのですが、とにかく仲介者にまとまったお金を渡してはいけません。たとえばですが、この国には家賃前払い半年分なんてシステムはありませんから。

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上の画像のアパートが一般的なアパートのイメージですが、ちなみにこの物件、ボホールで月額約3万円です。まあ一口にアパートと言ってもピンキリなんです。コンドミニアムと大差ないような物件もあるし、4畳半一間で風呂トイレなし水道もなしなんて物件もありますから。

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上の画像の物件、アンヘルス月額43000円〜と、日本人向けのサイトに出てました。まあ短期滞在者向けでしょうね。おそらくアンヘルスで遊ぶ人用の・・・

 

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これはフェイスブック上の不動産関係サイトです。ダバオでなくても、どの地域でもこういうサイトがあるので、できれば仲介者や紹介者を通さずに、ご自身で直接探し、直接交渉されたらいいと思います。但し日本人が全て詐欺師なんてこともなく、中にはしっかり法人登記もして、良心的に不動産業務をされてる日本人の方もいらっしゃいます、少ないけど。

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先程のサイトからで、この物件は月額5500ペソ(12000円弱)です。ちなみにうちの近所に4畳半一間ぐらいのアパートがあり月額2000ペソ(4000円)ですが、こういう物件は宣伝しなくても必ず入居者がいるので、歩いて探すより方法はないでしょうね。

 

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実はここ数年でダバオ市民の概念が変わってきました。「アパート経営は効率が悪い」という感じになってきたのです。なわけで以前ならアパートにしか過ぎなかった物件は、今は時間貸しのモーテルになっており、急速に増えてます。ちなみに私、ダバオ市内でモーテル用の土地を探したことがあるのですが、土地所有者にことごとく嫌がられました。理由は「ここが修羅場になるからやめてー」でした(-_-;)

 

7.  スクワッター

日本の皆さんは聞き覚えのない言葉でしょうが、フィリピンにはスクワッター地域というのがあります。スクワッターとは無断居住者或いは不法占拠者のことで、フィリピンには多くの不法居住者が暮らしています。

 

ちなみに私が住むバランガイでは約4割がスクワッターです。ま、わかりやすく言えばスラム街です。日本人でこういうとこに住みたいという人はまずいないと思いますが、一応住宅らしきものがあるので、項目に加えました。ちなみにここに住むこと自体が違法ですから、当然すすめているわけではありません。

 

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実はうちの真ん前が40軒ほどのスクワッターの集落です。上の画像は私が怒鳴り込みに行く直前のものです。理由は朝5時から大音響でカラオケをやってたからです。で、怒ったら謝ってすぐやめました。常識はありませんが、意外と素直だったりします。住宅は見ての通り、どっかから拾ってきた廃材で建てたようです。

 

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うちの前のスクワッターの子供たちです。貧乏でおもちゃなんかないから、手を繋いで綱引き風の遊びをしたり、道端の石を投げ合ったり、頭をどつきあったりして遊んでます。この子たちは毎日小学校に行けるわけではありません。学校自体は無料ですが、幼い弟や妹の面倒を見なければならない日もあるからです。ちなみにこのスクワッターには15歳で小学校4年生という男の子がいて、妻も「あきらめちゃだめよ」とよく言ってます。

 

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この時は私が草むしりをしてると、スクワッターの子供たちが寄ってきて、手伝ってくれました。この子たちは幼い兄弟の面倒や親の手伝いもよくします。

 

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スクワッターの女の子たちがハロハロを食べたいと言うので、チョウキンに連れて行きました。ところがちょっと食べたら「これ持って帰っていい?」と言うのです。「なんで?」と聞くと「食べたことないから弟や妹に食べさせたい」と言われました。私は感動して、新規に2個買いましたが、溶けるんだなよなあ(-_-;)

 

と、こんな感じで子供はいい子ばかりです、子供は!!問題は親の方で、親が働かないから貧乏なのです。スクワッターは不法占拠者の集落ですから違法に住んでるわけで、本来は立退かなければならないのですが、どうも子供たちを見てると、「このまま居させてあげたいなあ」という気持ちにもなるのです。

 

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上の画像は夜のスクワッターで、みんな10時には寝てます。皆さん、もうお気づきですね。そうです、スラムと言えば聞こえは悪いですが、ダバオのスクワッターはなぜか比較的平和で安全なのです。これはマニラ在住の方が見れば、かなり驚くことと思います。マニラのスクワッターとは全然違いますからね。

 

もちろんスクワッターには分譲も賃貸もありません・・・のはずなんですが、実は賃貸は存在するのです。そして月額賃料は300〜500ペソが相場です。要は先住者が引っ越した後に貸しているのですが、複数の家を貸しているヤカラもいて、もうとんでもない話です。自分の土地でもないとこに勝手に掘っ建て小屋を建て、それで家賃収入を得てるのは、あり得ないずーずーしさですが、こういうことが少なからずあるのがフィリピンという国なのです。

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こんなくだらないことをなぜ?と思われるでしょうが、この国は何が起きるかわからないのです。今はノンビリ暮らしてる私ですが、10年後20年後はどうなってるかわかりません。もしかしたらスクワッターに住んでるかもしれないのです。大変失礼ですが、日本の住宅を処分して移住した方は、その可能性が100%ないとは言えないと思いますよ。

 

まとめ

結論です。フィリピンの住宅は分譲であれ、賃貸であれ、日本人の皆さんに胸を張っておすすめできる物件は何一つありません。しかしそれでも住んでみたい方は、どこに妥協点を見出せるかお考え頂きたいと思います。そして私の経験には特別なことは何もありません。フィリピン在住者の方から見れば単なる「フィリピンあるある」なのです。

 

個人的にはこのブログを今後も書き足しながら、住宅関係のご質問等には対応したいと考えてます。私は建設関係ではないがゆえに利害関係がないから、よくご質問を頂くと推察してます。今回はとうとう14000字のブログになってしまいました。長々とお付き合い頂き、誠にありがとうございました。