そうだ!フィリピンに住もう

ダバオ Davao Dabaw byえくえく

忍び寄るポリオの恐怖@フィリピン

皆さん、こんにちは。えくえくです(#^.^#) 今回はポリオの話です。私が住むフィリピン南部のミンダナオ島で、3歳の女児にポリオの感染が確認されました。尚、フィリピンは「世界保健機構(WHO)から2000年にポリオを根絶した国」として認められていましたが、それ以来初めての感染を確認したとのことです。他にはラグナ州で5歳男児に感染が認められ、国内では大きなニュースになってます。

 

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上の画像、私の家の門柱なのですが、書かれた暗号のような文字は何だかわかりますか?これは「大人2人で小さな子供がいない」という意味なのです。実は帰宅した時は「誰がいたずらしたんだよ!」と思って消そうとしたのですが、向かいの家の人に「消しちゃダメ」と言われてわかったことなのです。というわけで、私の地域では今、バランガイの保健担当が躍起になってて、「ポリオの予防接種」を小さい子供に注射を打ちまくってる状況です。

 

私は身の回りに患者がいなかったせいか、ポリオについてはあまり知らなかったのです。なわけで今回調べました。ポリオは別名「脊髄生小児麻痺」とも呼ばれており、ポリオウイルスに感染することによって発生するそうです。人から人へ「感染した人の便」を介して」うつります。つまり「うんこ感染」です。今回フィリピンでは、首都マニラの下水道と、ミンダナオ島ダバオの水路かポリオウイルスが検出されたそうです。

 

ポリオは主に5歳以下の子供がかかることが多い病気で、実は感染しても90〜95%の人はほとんど症状が出ないそうです。で、症状が出てしまう約5%の患者には、発熱、頭痛、咽頭痛、嘔吐などの症状が出て、約200人に1人が下肢麻痺を起こし、そのうち5〜10%が呼吸筋麻痺により死亡すると言われています。但し「成人」が感染した場合は重症化しやすく、15〜30%の患者が亡くなるそうです。大人も感染するんですね。そして感染した場合の治療法はなく、「ワクチン接種による予防」のみが有効とのことです。

急性灰白髄炎 - Wikipedia

 

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では経緯を詳しく説明します。フィリピンでは「26年ぶり」にポリオの発生をミンダナオ島ルソン島で確認されたわけです。まずは今年の9月27日、ミンダナオ島のラナオ・デル・スル州居住の3歳児がポリオに感染したと発表しました。1993年の発生を最後に、世界保健機関(WHO)が2000年にフィリピンでのポリオ根絶を宣言して以降、初めての感染確認となったわけです。

 

フィリピン保健省はさらに「マニラ首都圏の下水道」と「ミンダナオ島ダバオ市の水路」でポリオウイルスが確認されたと発表し、翌20日には2例目の感染として、フィリピン北部ルソン島南部のラグナ州居住の5歳児の感染確認、そして11月6日ミンダナオ島(場所不明)で、4例目となるポリオの感染症例を確認したと発表しました。

 

フィリピン保健省のフランシスコ・デュケ長官は地元メディアに対して「最もポリオの罹患率の高い5歳以下の子供のポリオワクチン接種率は現在66~68%程度であり、感染の拡大を防ぐためには95%程度まで引き上げなければならない」と説明しました。

 

こどもの免疫力を高める【こどもバナナ青汁】

 

また日本の厚生労働省検疫所によると、「ポリオウイルス(野生型、ワクチン1型または3型由来)の感染があり,国際的に感染を拡大させるリスクがある国」としてWHOは現在、アフガニスタンパキスタン、ナイジェリアの3カ国を指定。そして「ポリオウイルス(ワクチン2型由来)の感染があり、国際的に感染を拡大させるリスクがある国」としてコンゴ民主共和国、ナイジェリア、シリアの3カ国を指定してます。

26年ぶりにポリオの発生を確認、ミンダナオ島とルソン島で(フィリピン) | ビジネス短信 - ジェトロ

 

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日本の厚生労働省によると、フィリピンは2019年9月19日「ポリオのアウトブレイクがあった」と発表しました。WHOは「今後フィリピン国内において更なる感染の拡大が予想される」として、フィリピンや他のポリオの感染地域へ渡航する方へのポリオワクチンの接種を推奨しています。これを受けて、厚生労働省は「次のような方々」へ対する不活化ポリオワクチンの接種を推奨しています。(以下抜粋)

アウトブレイク - Wikipedia

 

1. 4週間以上の長期滞在を予定している方(過去にポリオの接種歴がある方も含む)
2. ポリオに対する免疫が低いとされる1975年から1977年生まれの方(過去にポリオの予防接種歴がある方も含む)
3. ポリオワクチンの定期接種を終えていない方(長期、短期滞在にかかわらず)
4. ポリオワクチンの接種を受けたことがない方(長期、短期滞在にかかわらず)

 

また日本渡航医学会でもパキスタンアフガニスタンミャンマー、中国、その他の感染リスク地域に渡航する方には不活化ポリオワクチンの接種を推奨しています。 

 海外渡航 予防接種 仮予約フォーム | 海外渡航前予防医療センター

 

まとめ(所感)

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これからフィリピンへ来られる方、特に小さいお子さんを連れて来られる方は特に気をつけて頂きたいです。狂犬病デング熱など以外にも、ポリオワクチンを接種してから来られる方が安心だと思います。

 

フィリピンへ来られる際の注意事項としては「予防接種」はもちろん、「水道水を飲まない」「動物に触らない」などが一般的な衛生面の注意事項ですが、これは日本的な注意事項で、フィリピン人の注意事項は少し違うのです。ポリオに対するフィリピン人的な注意事項は・・・

 

1. 海に行かない

2. 川に行かない

3. 山に行かない

4. プールに行かない

 

の以上4点です。4つ共理由は同じで、タガログ語で「tatae(うんこ)」です。ポリオは「人から人へ感染した人の便を介してうつる」わけですからね。この国で海はよほど遠くの離島を除き、海辺にスクワッター(不法居住者)の集落がほとんどあり、海にうんこを流すのです。きれいに見えるリゾートでも、数キロ離れたところにはたいていスクワッターがあります。

 

川も海と同じ理屈です。たとえば今回「ダバオの水路からポリオウイルスが検出された」の水路とは「Davao river」のことです。ダバオ市の真ん中をダウンタウンまで走る川で、川辺にはたくさんのスクワッターがあり、川にうんこを垂れ流してます。

 

山も同じような理由で、山のその辺で人間がうんこします。いわゆる野糞のスタイルが多いので、うんこ感染しやすいと言われてます。あとは湖もですね。「ミンダナオ島のラナオ・デル・スル州居住の3歳児がポリオに感染した」というラナオには湖があるのですが、おそらく周囲にはスクワッターがあるでしょう。ま、これは憶測ですが。

 

あとプール、さすがにプールでうんこはめったに見ないのですが、問題は赤ん坊の親です。まだオムツが取れてない赤ん坊を抱いて、平気でプールに入るのです。そして監視員はそれを注意しません。大らかと言えば大らかなんですが、ばい菌に対しても大らかなのです(-_-;) つまり今のフィリピンで「海や山、川、プール、湖で自然に触れながら遊ぶ」という行為は、特に小さいお子様連れの方には、まだポリオの症例が少ないとはいえ、危険な行為と思われる方がいいと思います。

 

検査キットはこちら

 

あともう一点、フィリピンでは子供にポリオの予防接種をすることを拒否する親も少なからずいます。それは安全性がまだ確認されてないからです。数年前、フィリピンではデング熱の予防接種の副作用で100人の子供が亡くなりました。これは前大統領アキノ一派がヨーロッパの製薬会社から巨額のリベートを貰い、新薬を認可したからです(現在も係争中)。

 

という感じで、この国の薬品は完璧には信頼できないのです。まあ日本もかつてはミドリ十字のようなこともありましたが、フィリピンの薬品よりは安全性は高いと思います。で、小さなお子様にポリオやデング熱狂犬病などの予防接種をし、自然と触れ合うことにも神経質になるぐらいなら、フィリピン行きはしばらく様子を見て、日本で国内旅行でもされる方がよほどいいような気がします。フィリピンで「親子留学」など、日本人誘致の商売をされてる方には怒られそうですが、私はそう思うのでお許しを!ではでは!!

 

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