そうだ!フィリピンに住もう

ダバオ Davao Dabaw byえくえく

愛犬の突然の死に思うこと@フィリピン

皆さん、こんにちは。えくえくです。4日前にうちの犬が忽然と姿を消しました。それから2日間、身内一同の探索の甲斐もなく見つからなかったのですが、今朝うちの裏の林で亡き骸が見つかりました。日本の皆さんには馴染みのない放し飼いの犬、私にとって「犬の放し飼い」は初めての経験で、いろんなことを教えてくれた愛すべき犬でした。尚、今回のブログは自分の気持ちを整理するために、思い出に浸りながら書きました。

 

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こいつの名前はマーシャルと言い、そもそもうちの犬ではなく、うちの隣の妻の実家の犬でした。それがなぜうちの犬になったかというと、こいつがうちに勝手に住み着いたからです。

 

マーシャルは年齢不詳ですが、おそらく5歳ぐらいだと思われます。というのは数年前、こいつの母親が子犬を連れて、勝手に妻の実家の裏に住み着いたからです。飼い犬だったのか?そもそも野良犬だったのか?それさえいまだにわかりません。

 

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2年前、マーシャルはとんでもないことをしました。当時私たち夫婦は家の新築中で、妻の実家(上の画像)に居候してました、8ヶ月間です。で、その頃こいつは妻の実家の子猫を殺してしまったのです。理由はおそらく「ヤキモチ」とのことで、フィリピンの犬らしいですよね。なんせこの国の殺人動機1位は「ヤキモチ」ですから。

 

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そして1ヶ月間ほど、こいつは死なない程度に家族の折檻を受けました。特に子猫を可愛がってたダウン症の義姉は、毎日上の画像のホウキで叩き続けました。しかし不思議だったのは、こいつは逃げなかったのです。

 

逃げないどころか、叩かれて尻尾振ってるぐらいで、私は「こいつは変態か、どMだな」と思いました。しかしこいつは「なぜ怒られたか」を理解していたようで、その後は知らない猫がうちに侵入しても、一緒に寝るようになり、それはそれでちょっと困りました。

 

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その後こいつは誰かに頭を殴られ、死にかけました。昨年のことです。上の画像はじーっと動かず、回復を待ってるマーシャルです。実はこいつ、とんでもない女たらしで、よその家にメス犬がいると、勝手に侵入してしまうのです。ま、殴られるのはたいていそういう時なので、文句を言えないのです。ちなみにうちの近所は、こいつの子供だらけだそうです。

 

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それから一週間ほどで、奇跡の回復を見せたマーシャルは「カッパ犬」になりましたが、しばらくして毛は生えてきました。

 

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その後元気になったマーシャルは、うちの新築現場に必ずいました。そして人の邪魔はけっしてしない不思議な犬でした。

 

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マーシャルはセメントが大好きで、よくセメントの上で寝てました。

 

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そして夜は出来かけのキッチンカウンターの上で寝てました。けっこう高いとこなんですが、なぜかここがお気に入りでした。しかしこれで助かったのはうちの方だったのです。

 

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夜間は無人の新築現場、建築資材が山のように置かれてたのですが、夜中でも人が近寄ると、こいつはけたたましく吠えたのです。おかげで建築資材は何も盗まれずに済みました。私はその功績を買って「うちの犬にしよう」と思ったのです。まあ私がそう思う前に、ご覧の通りもう住んでたんですけどね。

 

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そして今年になり、うちの二軒先の義兄の家の新築現場にも毎日のように現れました。みんな「3時のおやつが欲しいんだよ」と言ってましたが、3時のおやつが終わっても、ずっと現場で作業を見ていました。マーシャルはもし人間に生まれてたら、大工になってたかもなあ・・・

 

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ホントにパンが大好きな犬でした。朝パンデサル売りの少年が来ると私の方に寄ってきて、いつも「ピーピー」と鳴くのです。要は「くれー」という催促です。私たち夫婦はこいつに「ワンワン」と吠えられたことがなく、何か感情を表す時はいつも「ピーピー」でした。なわけで私たち夫婦はこいつを「ピーピー君」と呼んでました。

 

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そして今年の4月に悲しい出来事がありました。マーシャルの弟4匹の内、2匹が見知らぬ犬に殺されてしまったのです。「放し飼いの犬」というのは、ホントにいろんなことがあります。で、この出来事は以前ブログにアップしてるので、よろしければご覧ください。

裏庭の動物達②子犬の悲劇@フィリピン ダバオ市 - そうだ!フィリピンに住もう

 

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私はこいつの姿勢や歩き方が好きでした。まるでサラブレッドのような歩き方で、とてもエレガントでかっこよかったです。

 

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ところがそのエレガントな歩き方と裏腹に、食べる時のがっつき方はハンパなかったです。とにかく食うのが早い!!誰にも取られないのに、なんであんなにがっつくのか?いつも不思議でした。

 

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エアコンを付けると、いつもこの場所に来て寝てました。ドアの下の隙間から冷気が漏れてくるのが気持ちよかったからだと思います。

 

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だいたい毎朝こんな感じでした。おねだりする時は私の足に体を擦り付けてくるのです。しかしドッグフードとバナナだけは最後まで食べなかったです。何度か試したのですが、一口食べると吐き出してしまうのです。他の犬は食べるのに、なんでだったんだろ⁉️ドッグフードは犬の食べ物だし、バナナはフィリピンの食べ物でしょ⁉️

 

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マーシャルは「アスカル」という犬種で、フィリピンの固有種のはずなんですが、その辺がどうも微妙なのです。フィリピン人はこの犬をみんな「アスカル」と言うのですが、解釈が人それぞれなのです。

 

ある人は「フィリピンの固有種アスカル」、ある人は「アスカルとは外にいる残飯整理の犬のこと」と言い、ある人は「どうでもいい犬のこと」と言います。どれが正解?正解はないのか?よくわかりませんが、何犬だろうと、とにかく私はマーシャルが大好きでした。

 

こいつを一言で言えば「人間には従順な孤高のスケコマシ」です。私はマーシャルとは妙に気が合いました。おそらくこいつも私に何らかのシンパシーを感じていたのだと思います。私に一番よく懐きましたから。とにかく他の犬と群れることがないのは、この辺の犬では珍しい存在でした。

 

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で、今朝ついに亡き骸が見つかってしまいました。外傷の跡もなかったし、誰にも迷惑をかけずに一人で逝ってしまいました。ダウン症の義姉が、うちの裏庭のかなり奥の方に横たわってるとこを見つけました。私はこれを見て倒れそうになりましたが、妻の家族はあまり感情を見せませんでした。けっして冷たいわけではないのですが・・・

 

日本人は「犬は家族」と思ってる人が多く、私もその一人ですが、フィリピン人は座敷犬を飼ってるようなごく一部の富裕層を除けば、その感情はあまりないように思います。但し猫に対しては、もっと強い愛情を持つ人が圧倒的に多いのです。これって何なんですかね?この国は猫>犬?それはネズミが多いから?犬派の私にはよくわかりません。

 

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そして今、マーシャルは裏庭のここに眠ってます。私は落ち着いたら、ここをガーデンにしようと思ってます。妻の実家の犬たちは、昔からずっとこんな感じだったそうで、「死ぬ時は犬自身が死に場所を探してどこかに消えて行った」とのことです。なわけで「亡き骸が見つかるのは珍しい」と、うちの者たちは言ってました。

 

このこと、私は知りませんでした。以前に「犬が消えた」という話だけは何度か聞いていたのですが、死に場所を探すのは猫だけの習性だと思っていたのです。犬もそうなんですね。しかしよく考えてみたら、日本の犬は放し飼いなんかしてないから、犬が「死に場所探してウロつく」ことなんてことは、物理的にあるわけないですよね。あともしかしたらフィリピンでも、座敷犬にはない習性なのかもしれません。

 

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みんな「これが犬の人生だから、しょうがないよ」と言いますが、私は一定の反省は必要だと思うのです。ちなみに上の画像は私が日本にいた頃に同居していた親が飼っていたパピヨンで、18歳まで生きました。腎臓結石と尿管結石、2回の手術に耐え、15歳からは全盲でした。つまり医療的処置によって生き長らえたのです。

 

しかし私はマーシャルに医療的処置を施そうと考えたこともなかったのです。で、亡くなってからいろいろ思い返して、犬の病気を調べまくりました。この2年間、時折あったマーシャルの症状に適合するのは「フィラリア」でした。

フィラリア - Wikipedia

 

しかしマーシャルの場合は症状があっても、たいてい1日か2日で元気になってしまうので、あまり心配していなかったのです。あとなんせ放し飼いですから、うちにいない時はどこにいるのかも知らなかったし、しかも先週までは元気に飛び跳ねてガツガツ食ってたのです。

 

しかし亡くなる2〜3日前から嘔吐が続き、亡き骸を見ると腹部の膨張が見られ、フィリピンでよくある「毒殺」の類ではないなとは思いました。マーシャルはよその家にある物でも勝手に食べるやつなので、「どうせまたどっかで変な物食ったんだろな」とたかをくくっていたのです。私がバカでした。

 

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マーシャルが突然いなくなり、「こうすればよかった」「ああすればよかった」と後悔の念ばかりです。上の画像はリードですが、実は一度も使ったことありません。いつかリードを付けて、海にでも連れて行ってやろうと思っていたのですが、今はもう叶わぬ夢です。車に乗って出かける時も、もう追っかけてくる犬はいません。

 

「こいつの人生は幸せだったのだろうか?」とか「なぜ最後に私の所へ救いを求めに来ず、自ら死に場所を探したのだろうか?」とか、ホントにいろいろ考えてしまいます。実はフィリピンでも「犬の放し飼い」は違法なのですが、私の地域には警官の見回りなどないので、みんな放し飼いなのです。

 

私はこの辺の犬を見て「日本のリード付きで散歩の犬に比べたら、毎日自由で幸せなやつらだな」と思っていたのですが、短時間の散歩であとは家の中に閉じ込め、それで長く生きさせるのもアリかなと今は思ってます。座敷犬には座敷犬の幸せもありますよね。

 

犬の人生は短いことはわかってますが、全く予期してなかった愛犬の突然の死にガックリ膝を落としてます。数々の思い出をくれた愛犬マーシャル、たった2年だったけど、こいつがいてくれて毎日ホントに楽しかった。こいつは私にとって、ペットというより友達でした。私は子供の頃から何度も犬を飼ってましたが、どんな血統書付きの犬よりもマーシャルが最高でした。こんなやつはもういないだろうな。ありがとうマーシャル!誰にも迷惑かけずに一人で逝きやがってバカヤロー!ではでは!!

 

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