皆さん、こんにちは。えくえくです(#^.^#) フィリピンのコロナ感染者が多い都市部に於いては、おそらく6月1日から規制緩和されそうな気配ですが、今回の内容は「なぜそうなったか?」と「その後どうなるのか?」です。すでに収束傾向を見せ緊急事態宣言を解除した日本と、私が住んでる国フィリピンでは、感染者数こそ近い数字ですが、そこには国民性により大きな違いがあるのです。
マニラ首都圏の各市長はECQからGCQへの移行、つまり規制緩和を主張しています。そして感染者が一番多いマニラのモレノ市長は、「もう市のお金がないから、どうすればいいんだ」と、この数日前に大統領に一任する姿勢を示してました。
上の記事は私が住むダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長の声明です。「本来は厳しい規制を続行したいが、市の予算はもうないので、やむを得なく規制緩和することになる」というニュアンスと解釈してます。というのは、この数日前に「2か月間のロックダウンもやむなし」という声明を出していたからです。
ダバオ地方では私が住むダバオシティが突出して多いのですが、近隣の市の感染者数が少ないのは、ダバオ市で厳しい規制を強いていたからです。しかし人口150万人に対しては、それほど多い数ではないはずです。ではなぜサラ市長は厳しい規制を続行したがっているのか?その答えは「あるおばちゃんの言葉」に集約されていたのです。
うちの隣の妻の実家の前には「マスクしてね」という張り紙をしてるのですが、近隣の人はどこ吹く風で、全然マスクなんてしてません。子供たちも集団でマスクをせずにうちの前で遊ぶので、私が親を集めて注意したことがありました。
「なんで子供にマスクさせないんだ。人んちの前だぞ。しかもうちは小さい子供2人いるんだぞ。いい加減にしてくれ」と怒ったのです。すると「私の子供だから人の言うことなんか聞くわけないのよ。マティガス ウーロ(石頭)だから」と、一人のおばちゃんに悪そうに言われました。で、私は・・・
何も言えねー!!
の北島康介状態になり、他のおばちゃん達からも「うちも同じ」と言われました。この時は唖然としてしまいましたが、そもそもうちの家族が長期化を予測した理由も似たようなもので・・・
フィリピン人は人の言うことを聞かない!!
ということが前提でした。しかしこれ「近隣のダバオ市民だけだろうか?」と思って、フィリピンの他地域の方にも聞いたら、首都圏やセブのフィリピン人も同じような傾向があるとのことでした。つまりこのおばちゃんの何気ない言葉に、この国の本質が集約されているような気がしたのです!!
そしてダバオ市のサラ市長の懸念はまさにそれで、つまり「ダバオ市民はルールを守らない」で間違いないと思われます。ダバオ市民は罰則や罰金がなければ、そして人が見ていなければ、「人の言うことは聞かない(ルールを守らない)」ということを、サラ市長は父親がダバオ市長だった時代から見ていたので、よくわかっているのです。
つまりタガが外れると、ここの人たちはもう止められなくなるのです。だから現在は他国と比べると大した感染者数及び死者数でもないのに、厳しい規制を強化したがるのです。
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弁護士でもあるドゥテルテ氏は「規律そのもの」なのに、なぜフィリピン国民はドゥテルテ氏を大統領として選んだのでしょうか?2016年「ABS-CBNで選挙宣伝させない」など、自由党一派の選挙妨害に遭いながらも、大統領選で圧勝しました。
公表された得票率は5人の候補者中39%で、それでも圧勝でしたが、ロハス陣営やビナイ陣営の不正得票があり、実際には55%程度のの得票率があったのではないかと言われており、得票を削られても圧勝したということだったようです。
2016 Philippine presidential election - Wikipedia
そしてドゥテルテ氏は、ダバオ市長として20年間「超法規的殺人」をやってきた人なのです。ダバオ市民のために武装集団を追っ払おうと自らマシンガンを持ち、先頭に立って戦ったこともある伝説の武闘派市長なのです。またフィリピン国民はそのことを当然知っており、つまり大統領は国政に於いて、今までダバオ市長時代にやってきたことと同じことをしてるに過ぎないのです、今も・・・
ちなみに妻が子供の頃、ここダバオ市は「フィリピンで最も危険な都市」だったそうで、妻の家の周りは迷彩服の戦闘員だらけで、マシンガンや拳銃のの撃ち合いにより人がよく死んだそうです。そして妻の叔父の一人は銃撃戦で打たれ、命からがらコタバトへ逃げ、もう一人の叔父は流れ弾に当たって亡くなったそうです。寡黙な義父ですが、当時のことはよく話してくれます。
そして今は平和になったダバオ市ですが、市民はどれほどドゥテルテ氏の恩恵を受けたかわかりません。ドゥテルテ氏が市長就任前の20数年前は、若い女性は買い物に行くだけでも戦闘員にレイプされてたそうですから。
というわけでドゥテルテ氏が市長就任後、厳しい規律と秩序、そして超法規的殺人によって、ダバオ市は「フィリピンで一番安全な都市」になったわけです。つまりフィリピン国民が求めたのは「厳しい規律と秩序と超法規的殺人」だったのです。それは「フィリピン人は人の言うことを聞かない民族」であることを国民自身がよくわかってるからなのでしょう。
つまり麻薬常習者など犯罪者は一生それをやめないことを知ってるからこそ、「厳しい規律と超法規的殺人」を大統領に求めたのだと思います。小学生の子供が登校時にレイプされるのが普通の国が嫌なのは当たり前の話ですからね。もちろん超法規的殺人については賛否両論あるはずですが、真っ当なフィリピン国民が生きていくためには仕方がない事なのだと私は解釈してます。
そして今回、その本当の意味が「何気ないおばちゃんの一言」からいろいろ調べて、よくわかりました。つまり「自分たちフィリピン人の性格では自主的に規律が守れない。だから第三者の厳しい規律によってこの国を良くして欲しい」というのが、国民がドゥテルテ氏を大統領に選んだ最大の理由だったのでしょう。
特に首都圏のフィリピン人はドゥテルテ氏を「プロビンシャーノ(田舎者)」とバカにしてる部分がありますが、それでも大統領選では圧勝でした。つまりそれほど「厳しい規律と秩序」を国民は求めたのです。もちろん財閥の一局支配に反発してという部分もあるとは思いますが。
その証拠にロックダウンに対するネガティブな報道があっても、支持率はほぼ変わっておらず、いまだ80%は驚異的な数字です。それが首相公選制で国民に直接選ばれた大統領と、山口4区でたった10数万人に選ばれて首相になった安倍さんとの違いです。人口は日本1.2億人、フィリピン1億人、あまり変わりません。
先日、不可思議な報道がありました。このメディアは現地報道を和訳しただけで特に意図はないのかもしれませんが、なぜか違和感を感じたので、うちの前のスクワッター(不法居住者)の人たちに聞いてみました。
すると「飢餓なんてこの辺の子供は元々週2〜3回は経験してるよ。その数字よくわかんないけど、ロックダウン以前より良くなったんじゃないの」と言われました。あと「なになに?日本人はまた募金ビジネスやるの?」とも言われました。どうやら日本人の貧困ビジネスはこの国の末端まで浸透してるようです(-。-;
で、調べたみたら、フィリピンの2019年の貧困率は20.8%、今回飢餓を経験したのは16.8%ですから、この数字が正しいならば、スクワッターの人たちの直感は正しかったことになるのです。つまり数字上、飢餓を経験した人は配給などにより、ロックダウン以降に減ったことになるからです。
貧困率は20.8%、20年間で半減と世界銀行が調査レポート(フィリピン) | ビジネス短信 - ジェトロ
つまりこの手の反政府的な報道は、外国人には通用しても、一般国民には通用しないということなのです。何のデータもないスクワッターの人たち(上の画像右側)でさえわかることですからね。そして「なになに?日本人はまた募金ビジネスやるの?」と言われたその意味、それも考えさせられました。ちょっと嫌味でしたからね(-_-;)
で、実際に困ってるのは誰なのか?人数的に言えば、今回のロックダウンで困ってるのはおそらく数千万人はいるでしょう。ぶっちゃけ、うちだって困ってます(-_-;) しかし最も困ってるのは、普段まじめに働いている「中間所得層」なのです。今回は給与明細を提出すれば、一定の補償額はもらえたのですが、肝心の仕事そのものがなくなる可能性が出てきたのです。
富裕層は権利所得や貯金があり、貧困層はロックダウン以前から困ってるわけですから、「ロックダウンによる直接的な被害者」は中間所得層だと言えると思います。まあ「ロックダウンによる」というのは適切ではなく、「コロナウィルスによる」が正確でしょうね。しかしそれには経済復興しかないわけですが、はたしてどうなりますかね?まずは早期に収束しないと・・・
ダバオ市の場合、感染者死者共に高齢者が少ないのです。それは高齢者は規制により外出できなかったり、入れない施設があったからで、要は普通に市が定めたこと、つまりルールを守っていれば、感染することもないし、人様にうつすこともないし、命を落とすことはないのです。
つまり医療従事者を除けば、たいてい人の言うこと聞かない人が最近感染しているのです。ちなみに上の画像のパレンケは「50歳以上不可」の制限があり、58歳の私でも入ることができません(-_-;)
この国の現状を見てると、各市長は万策尽き、この国民性に対して諦めの境地に入ったのかな?という気がします。表面上は楽観視を装っているように見えますが、いくらロックダウンをしても、人の言うこと聞かない人が多すぎるからです。そしてその証拠が・・・
これです!!160人しか乗れないのが「ニューノーマル」です。日本人ならここまで規制されたら、怒りますよね。しかしそれは自粛できる民族だから怒るのであって、フィリピン人は自他共に認める「自粛ができない民族」だから、反政権派を除けば、おそらくあまり反発もないでしょう。
そして政治家は「国民が如何に自粛できない民族か」をよくわかっているのです。しかしこれ、電車乗れるまで待てるんですかね⁉️国民が大統領に「厳しい規律と秩序」を求めているのはわかりますが、これはいくらなんでも無理があると思います。
また不思議なのは「ロックダウンそのものは本当に必要だったのか?」という議論がこの国にはほとんどないことなのです。いや、世界的にもあまりないですよね。スウェーデンのように極端な「集団免疫戦略」については議論があるものの、ロックダウンを実施したことへの是非については、あまり議論されてないですよね。ちなみにスウェーデンの集団免疫戦略については、「ギャンブルに失敗した」と評す声が多いですね。
しかしフィリピンは「世界でも稀に見る厳しいロックダウン」をやってる国ですから、本来ならもっと異論がある人、特にそういう市長がいてもいいような気がしますが、ロックダウンのレベルについては議論があるものの、ロックダウンそのものについてはほとんど異論がないのです。あっても元々反政権の人が政府の粗探しとか、くだらないものぐらいです。しかし副大統領が反政権派の国って、珍しいと思いませんか⁉️
これを海外メディアは「独裁」とか「強権」とか、おもしろおかしく言うのでしょうが、根底にあるのは、「フィリピン人は自他共に認める人の言うことを聞かない民族」ということなのです。あともう一つ、ロックダウンそのものに異を唱えないのには理由があると思われます。
それは「病院を守る」「医療従事者を守る」ということです。フィリピンは日本と違って病院の数が少なく、医療従事者も足らないからなのです。よく日本の方は「日本は○○だから」と言うのですが、国民の免疫力も明らかに違うし、医療の体制が全く違うのです。
フィリピンの看護師学校はそもそも海外出稼ぎに行くための学校なのですが、今こうなった以上、優秀な人材も国内に引き留める必要があるのです。で、もしロックダウンしてなかったらどうなっていたか?病院は感染者で溢れ、一般疾患の人は診てもらえず、医療従事者の方ももっと亡くなっていたでしょう。いわゆる医療崩壊です。
そもそも私自身が日本にいた頃は医療従事者だったのですが、病院はライフラインの一つだと思っています。あと実は義弟夫婦が看護師学校卒で、かつての同級生は今病院で頑張ってると聞いてます。やはり病院勤めだと、帰宅しても近所の人に差別されるそうですが、それでも頑張ってるそうです。しかも給料安いのに命かけてくれてますから、頭が下がる思いです。
国としてはそういう医療従事者を守るという意味でも厳しい規制をしたと推測してます。ちなみにイタリアは数年前に経費削減目的で、760の病院を閉めたそうですね。そして今、医療崩壊を起こし、多くの方が亡くなりました。病院とは「国の一つの砦」ではないでしょうか。
とまあここまで、さんざんフィリピン人の悪口を言ってしまったような気もしますが、実は私も人の言うことをほとんど聞かない性格なので、フィリピン人にシンパシーを感じて移住したのです。つまり私も同類なのです(-_-;) しかしそのことで、どれほど無駄なお金を使ったか⁉️ダバオ市はすでに10億ペソを使っており、サラ市長は給料全額をコロナ管轄病院のSPMCに寄付しています。
私は拉致されたわけでもなく、駐在でもなく、自分の意思でこの国に移住しました。国民が選んだ大統領、ダバオ市民が選んだ市長はそれぞれ国民、市民の意思なので、それを尊重するのが、勝手に移住してきた外国人の取る態度と思っています。しかしそれでもフィリピン国民に言いたいのは「因果応報」です。
因果応報とは「人は良い行いをすれば良い報いがあり、悪いを行いをすれば悪い報いがある」ということで、実際にこういうことはたくさんありますよね。しかしこれは元々仏教用語らしいので(インド説もあり)、この国の大半を占めるカトリック教徒に対して生理的に理解してもらえるかどうかは微妙なところです。この国では「悪いことでも人が見ていなければやっていい」というのが基本ですからね、残念ながら(-_-;)
では話を戻します。この国では自主的にルールを守らないから、新規感染者数が日本のように収束せず、規制が長く続いてしまい、経済活動が止まってしまったのです。いくら国民が大統領選で「厳しい規律と秩序を求めた」とは言っても、今回経済活動にも影響が出るような厳しい規制をせざるを得ない状況に追い込んだのは国民自身なのです。
うちはいまだに義弟のネットカフェも義兄のクリーニング店も再開できないし、先もどうなるかわかりません。政府や各市長は歯止めがきかないフィリピンの国民性を今も恐れています。そしてフィリピン人である私の家族もフィリピン人を恐れています。政府は予算を使い、ベストを尽くしましたが、国民がそれに応えられなかったということなのです。
そして最後に、最近の意思決定は1日ごとに変わりますが、もし6月1日に規制緩和されるならば、結果は早くても6月末になるはずです。潜伏期間が2週間で、フィリピンの場合は発症から検査確定まで早くても2週間かかるので、「14+14=28」で6月末ということなのです。
また規制緩和以降は感染確立が高くなるので、あとはフィリピン人の免疫力次第でしょうね。そしてフィリピン人が集団免疫力を獲得できることを祈るのみですが、うちの家族は事情があって「引きこもり作戦」を継続します。ではでは!!
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