そうだ!フィリピンに住もう

ダバオ Davao Dabaw byえくえく

マシンガンを突き付けられて家を壊されても事件にならない国

皆さん、こんにちは。えくえくです(#^.^#) いきなりですが、先日ひどい事件がありました。妻の叔父の家が暴漢によって破壊されたのです。この国は昔、土地の権利書や登記などなかったのですが、代々先祖から受け継いだ土地に住んでいる人達がいて、それをディベロッパーなどの大手企業が、政治家や自治体、警察などとつるんで追い出すという構図があります。そしてこういう形で土地を追われた人達が、ミンダナオには何百万人といるのです。

 

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場所はダバオ市内のTalomo(タロモ)というところで、以前はマンゴーの木が数えきれないぐらいあって、のどかな場所でした。上の画像は1年前のものですが、この橋を渡ると、2人の叔父の家がありました。叔父というのは妻の父の弟で、私と歳は変わりません。ちなみに義父は11人兄弟の長男です。

 

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そしてここは誕生日会やフィエスタなどを何度もやったことがある思い出の場所です。上の画像も1年ぐらい前のものですが、今はマンゴーの木は全て伐採されました。いったいマンゴーの木は何本あったのだろうか?数百本・・・いや数千本あったでしょうね。

 

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伐採したのはDeca Homesという大手ディベロッパーで、ここは数百ヘクタールあるのですが、フルーツの木は全て切り取られ、今は丸坊主になってます。目的は住宅建設です。この会社の分譲住宅はありえないほど割高なのですが、なぜかよく売れます。そして既にここで販売を始めています(上の画像)。

 

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上の画像は叔父の家が暴漢に取り壊された様子です。11月13日、夜中の12:30ごろに覆面をしてマシンガンを持った男たちが叔父の家に押し入り、家を破壊しました。かなり武闘派の叔父なので、何もできなかったことは相当悔しかったと思います。でも撃たれたら終わりなんですよね。

 


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上の画像は家を壊されて立ちすくむその叔父の奥さんです。まあ叔父と言っても私と同じ57歳なんですけどね(-_-;) 実はこの家は別宅で、本宅はうちの裏手にあるのですが、Deca Homesのマシンガン部隊がマンゴーファームの伐採に来るようになってから、監視のためにTalomoへ引っ越したのです。というのはこのマンゴーファームを管理していたのは、この叔父のお姉さん(義父の妹)だったからです。


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上のフェイスブックの文章は「マンゴーファームの103ある家のうち、深夜12時20分ごろ2つの家が破壊されました。また2人の容疑者が3人に発砲し、被害者の携帯電話のバッテリーを抜き、連絡を取れないようにした」と書いてあります。その通りで、要は計画的なプロの犯行でした。

 

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もうこの場所でこういう女の子の笑顔を見ることも、「だっちゅーの」も見ることもないんでしょうね。ちなみに上の画像はこの叔父の孫です。で、これでこの話は終わりなんですが、おかしいとは思いませんか?そうです、刑事事件になってないのです。警察も来てません。

 

結論から言うと、この国は力のある者が強いのです。要はお金です。もっとはっきり言えば贈収賄の国です。皆さんご存知のドゥテルテ大統領ダバオ市の市長を20年間やっており、今の市長は大統領の娘のサラ・ドゥテルテです。そのクリーンさは国内でも定評があるのですが、Deca Homesクラスの企業と関係がないとは言えません。ちなみにこの会社名義の土地にするまで、3年間で10回も土地所有名義を変更されており、中には架空の人物や連絡取れない人もいて、元の土地所有名義者にはたどり着くことができないようにされてます。

 

そもそもこの土地はマンゴーファームの農地だったのです。農地は本来、本格的な建物を建てられない土地なのに(バハイクボ程度ならOK)、それが大規模住宅地として売りに出されてます。またこの国では、許可なく木を伐採することは、大統領令第705号および改正フィリピン森林法で禁止されてます。

 

しかも道路まで舗装されました。これで政治家や役人と関係がないということはありえないのです。バランガイ(村役場)に仲裁を申し出た時期もあるのですが、どうにもなりませんでした。土地所有名義を10回も変更させた会社ですから、地元バランガイなどすでに買収済なんですよね。

 

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実はこの事件の前の週、叔父たち住民は直接ドゥテルテ大統領の家(上の画像)に直談判しに行きました。なぜ市長である娘ではなく、今は市長ではない大統領なのか?理由はよくわかりませんが、とにかく会って直談判したそうです。ドゥテルテ大統領が今でも一般のダバオ市民に会ってくれることにはビックリしました。

 

ちなみに叔父たち住民は、この事件の前から、普通に暮らしてるところにマシンガンを持ったDeca Homesの警備がいるので、精神的にも参ってたそうです。要は「ここから出ていけ」ということなのですが、ここの住人のうち数人はストレスで血圧が上がって倒れたそうです。

犯人は捕まってない・・・のではなく、この事件はなかったことになってます。この土地については昨年から裁判で係争中ですが、マシンガンを突き付けられ、家を壊された叔父は弁護士から「まだチャンスはあるからあきらめるな」と言われたそうで、今日から家を建て直し始めました。

 

実はこの叔父、昨年からこの件がストレスで15kgほど痩せました。「フィリピンでは最も治安が良い」と言われてるダバオ市ですが、大手ディベロッパーが出てくると、治安の良さはどこ吹く風になるのです。この件で人が死んでも警察は動く気配もなさそうですが、さてどうなりますかね?

 

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今年行われた中間選挙で得票数一位だったのは、建設会社もやっている大手ディベロッパーの創業者一族の奥さんでした。この時多くのフィリピン国民は「だれ?」という反応でしたが、名字でなぜトップ当選かはわかってました。日本で言えば、「大成建設の社長夫人が衆議院議員選挙に出馬して、ぶっちぎりの得票数だった」という話です。

 

実は私、バブル期に日本の大手ディベロッパーの地上げの部署に在籍していたことがあり、この件については興味深く見てます。当時新宿や上野の地上げに関わり、それなりに汚いことも見てきましたが、フィリピンのディベロッパーほど「えげつない」やり方ではありませんでした。まあ今は出番のない私ですが、いずれ戦う日が来たら、一族と共に戦う覚悟は出来てます。そのぐらいの覚悟でこの国に移住しましたから。ではでは!!

 

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